2014-01-08

bzrは死につつある。Emacsは移行しなければならない

bzr is dying; Emacs needs to move

Emacsのソースコードは、Bazaarでバージョン管理されてきた。しかし、Bazaarは分散バージョン管理システムとしては、Gitに敗北したし、もはや死につつある。Eric S. Raymondは、Emacsは他のバージョン管理システムに移行しなければならないと書いている。

私がこの投稿をしている理由は、バージョン管理システムとその周辺ツールのエキスパートとしての責務であって、この議論に参加したいがためではない。

bzrバージョン管理システムは死につつある。ほとんどの点で、もはや死んでいる。dev listは死んでいるし、Canonicalのほとんどの内部プロジェクトはbzrを捨ててgitを使っているし、古参開発者の一人が、なぜbzrが失敗したかについて書いている:

http://www.stationary-traveller.eu/pages/bzr-a-retrospective.html

[訳注:翻訳:本の虫: Bazaar-NG: 分散バージョン管理システムを7年ハックしてきて]

全Emacs開発者はこれを絶対に読め、そして一晩寝て、またもう一度読め。この記事の著者が書いたような罠に、Emacsも陥っていると言いたいからではない。「ソレ」は別の話だ。いま議論すべきなのは、bzrの失敗の重力圏から脱出するということについてだ。

理論的には、bzrのコードベースが十分にまともで、これ以降も継続して使うことができるならば、このbzrの失敗は、我々には何らの影響も及ぼさぬはずである。私が思うに、bzrは十分にまともである。

現実的には、bzrにとどまることは、Emacsの将来性とイメージに悪影響を与える。失敗したバージョン管理システムを使い続けるということは、プロジェクトに新しい開発者を惹きつけられないことを意味するからだ。

苦々しい事実としては、多くの若いハッカーたちは、すでにEmacsは恐竜であると考えている。難しく、ゴテゴテとして、重量級で、まあ一般的に言えば前世紀の遺物だ。このイメージを払拭するためには、我々はヘンテコで異質で前時代的なものにとどまることはできないのだ。

現在、bzrの利用を継続するということは、そういうことになってしまうのだ。bzrは学習コストが高いというわけではなく、小難しく時代遅れだという理由で、我々は新人を得る機会を損失してしまうのだ。現状から脱却するコストは、時間経過と共に上昇するばかりだ。

gitがこの戦争を勝ち抜いた。悲しいことだ。個人的にはMercurialの方が好きなのだが、だが、Mercurialにしたって、最近ははかばかしいことは聞こえてこない。私はgitの勝利に納得し、移行した。私はEmacsプロジェクトにも同様にするよう強く主張する。

私は以降にあたって技術的に主導できる、reposurgeonの作者として、私はそのためのスキルと経験を持っている(私は最近、GNU troffをCVSからgitに移行させた)。しかし、プロジェクトの主導者が、最初に決断をしなければならないのだ。

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Eric S. Raymond

No one who's seen it in action can say the phrase "government help" without either laughing or crying.

メールで参照している記事は、このブログで日本語訳している。

本の虫: Bazaar-NG: 分散バージョン管理システムを7年ハックしてきて

1 comment:

Anonymous said...

>苦々しい事実としては、多くの若いハッカーたちは、すでにEmacsは恐竜であると考えている。

このコメントは、ESRがRMSに対抗した意識が感じられる。