2012-04-06

いまWaylandが熱い

Waylandは、将来的に、Xを代替する目的で開発されている、相当に野心的なソフトウェアである。

今、GNU/LinuxでまともにGUIのソフトウェアをつくろうとしたら、Xは直接使わない。GTK+やQtなどといったライブラリを使う。これらのライブラリは、様々なバックエンドを持っている。たとえば、SVGやHTML5バックエンドなどもある。だから、これらのライブラリを利用していれば、Waylandへの移行は、理想的には、再コンパイルだけで済むはずである。とはいえ、現実には、再コンパイルだけで済むことはないだろう。

XからWaylandに移行するためには、Waylandが使われるようにならなければならない。しかし、既存のXバックエンドのソフトウェアが動かないのでは意味がない。そこで今考えられているのは、XとWaylandを両方動かすというものである。

Waylandが裏で必要に応じてX Serverを動かすのだ。ここしばらくの更新内容の簡潔なまとめが上がっている。

[Phoronix] X/Wayland Is Coming Along Nicely, But Work Is Left

色々と今の状況を観察するに、次のGPUはIntelという選択肢が、案外現実的に思えてくる。つまり、もはや外部のグラフィックカードを取り付ける必要はなくなるのだ。

IntelはnVidiaやAMDよりよっぽどLinuxカーネルに貢献している。今のKMSやDRMだって、Intelの貢献が大きい。残念ながら、Sandy Bridgeのグラフィックのパフォーマンスは、nVidiaやAMDのグラフィックカードの最底辺と比較できるレベルである。しかし、それも将来、変わっていくのではないか。今のミドルクラスのグラフィックカード程度のパフォーマンスが、CPUとGPUの統合チップで提供されるならば、もはや外部のグラフィックカードを使う理由は薄れる。

ただし、もう5年か10年はかかると思う。

しかし、サウンドカードが廃れ、グラフィックカードも廃れる兆しが見える今、次に廃れるものはなんだろうか。

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