2010-08-10

using declarationの妙義

using declarationは、宣言されている場所から見える名前しか、宣言場所のスコープに導入しない。

namespace NS { void f( int ) { } }

// NS::f(int)をグローバル名前空間に導入する
// NS::f(double)は、ここでは、まだ宣言されていない
using NS::f ;

namespace NS { void f( double ) { } } 

int main()
{
    // NS::f(int)を呼ぶ
    // NS::f(double)という名前は、この場所からは名前探索されない。
    f( 0.0 ) ;

    // NS::f(double)をmain関数のブロックスコープに導入する
    using NS::f ; 

    // ここでは、NS::f(double)が名前探索できる
    // オーバーロード解決により、NS::f(double)を呼ぶ
    f( 0.0 ) ;
}

宣言なしに名前を使うことはできないというのは、C++の原則である。しかし、これはなかなか面白い仕様だ。

No comments: