2008-01-30

広く世間に広まるのは難しい

 YouTubeができてから、似たような動画サイトが次々とできた。そういう後追いサイトは、例えばより動画の画質がいいだとか、長時間の動画でも受け付けるだとか、YouTubeの機能をそっくりコピーした上で、さらに追加要素を加えていた。しかし、皆YouTubeに勝ることはできていない。いくらYouTubeが先駆けたとはいえ、YouTubeより優れている付加機能のある、後追いサイトが、なぜ流行らないのか。  そもそも、YouTube以前には、誰も、簡単に動画をアップロードできるWebサイトなどやろうとはしなかった。実現するだけの技術と費用を持っている所は多いはずなのに。  日本には、ニコニコ動画というものがある。これは、YouTubeのように、誰でも動画をアップロードできるサービスで、さらに、動画の上にコメントを流すことができる。そんなことをしたら、動画が見れないではないか。しかし、これがかなり流行った。その後、動画にコメントを流すような機能をつけたWebサイトはいくつかでたが、皆、ニコニコ動画に勝てないでいる。ニコニコ動画よりも高画質、高機能であるにもかかわらず。  実際、zoomeというサービスを見ると、方向性を間違っているとしか思えない。zoomeでは、テロップという名称で、動画上に文字列を動かすことができる。しかし、デフォルトで吹き出しがついていたりする。なぜそんな吹き出しが必要なのか理解できない。また、複雑なコマンドを駆使することができるが、大抵の人は、そんなコマンドを使いこなしたいとは思わない。ニコニコ動画だって、コメ職人と呼ばれている人は、そう多くない。大抵の人は、ただコメントを流せば、それでいいと思っている。zoomeは、そういうコメントで極限まで遊ぶ人には面白いかもしれないが、そうでない大多数の人には、複雑すぎて面白くない。  さらにSNSだ。ややこしい人間関係が生じるところで、誰が、人とは変わった、独創的なコメントなどしたがるだろう。SNSのような匿名性のない人間関係が深い仕組みの元では、協調性のない奇抜なユーザは白眼視され、つまはじきにされるだけだというのに。  まあしかし、動画をアップロードする側からみると、ニコニコ動画は貧弱すぎるというのも事実だ。H.264とAACが使えないのは痛すぎる。

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